失敗しないWordPressサイト移行|計画から実行、SEOを引き継ぐ事後チェックまで全手順を公開

WordPressサイト移行は「ただの引っ越し」ではない
この記事で得られること:サイト移行を成功に導くための完全ロードマップ
WordPressのサーバー移行は、単にファイルを移動させるだけの単純な作業ではありません。
手順を一つでも間違えれば、「サイトが表示されない」「検索順位が大幅に下落した」といった深刻な事態を招きかねない、慎重さを要する一大プロジェクトです。
この記事では、企業のWeb担当者様が安心してサイト移行を完遂できるよう、計画から公開後のチェックまで、全てのステップを網羅した完全なロードマップをご提供します。
なぜ専門家の知見が必要なのか?サイト移行に潜む3つの大きな罠
- データの消失:バックアップの取得ミスやデータベースの移行失敗により、記事や顧客データが失われるリスク。
- SEO評価の喪失:リダイレクト設定の不備により、これまで積み上げてきた検索エンジンからの評価がリセットされるリスク。
- 機会損失:サイトが表示されないダウンタイムが長時間発生し、その間のビジネスチャンスを全て失うリスク。
これらの罠を回避するためには、正しい知識と手順が不可欠です。
【フェーズ1:計画編】移行プロジェクトの成否は準備で9割決まる
行き当たりばったりの作業は失敗の元です。まずは移行の全体像を把握し、しっかりとした計画を立てましょう。
Step1-1:そもそもなぜ移行するのか?目的を明確にする
移行の目的によって、選ぶべきサーバーや重視すべきポイントが変わります。
- 目的の例:
- 現在のサーバーの表示速度が遅く、ユーザー体験を改善したい。
- アクセス数の増加に、現在のサーバースペックが耐えられなくなってきた。
- サーバーのPHPバージョンが古く、セキュリティに不安がある。
- よりコストパフォーマンスの高いサーバーに乗り換えたい。
Step1-2:新サーバーの選定|法人サイトで比較すべき5つのポイント
サーバー選びは移行プロジェクトの根幹です。以下の5つのポイントを総合的に比較検討しましょう。
比較ポイント | 確認すべき内容 |
---|---|
表示速度・安定性 | CPU/メモリのスペック、SSD/NVMeの採用、HTTP/3対応など |
セキュリティ機能 | WAF、不正侵入検知、自動バックアップ機能の有無 |
サポート体制 | 電話サポートの有無、24時間365日対応か |
コスト | 初期費用、月額料金、将来的な拡張性とのバランス |
WordPress専用機能 | 簡単移行機能、ステージング環境、自動更新機能の有無 |
Step1-3:移行方法の決定|プラグイン利用と手動移行、どちらを選ぶべきか
具体的な移行作業は、大きく2つの方法があります。
- プラグイン利用:「All-in-One WP Migration」などを使う方法。初心者でも簡単だが、大規模サイトではエラーが出やすい。
- 手動移行:FTPソフトとphpMyAdminを使う方法。確実性が高いが、専門知識が必要。
基本的には、まずはプラグインでの移行を試し、うまくいかなければ手動に切り替えるのがおすすめです。
Step1-4:スケジュールと予算の策定|費用相場とタスクの洗い出し
現実的なスケジュールと予算を確保しましょう。
- 費用の目安:
- 自力で行う場合:新サーバーの契約費用のみ。
- 業者に依頼する場合:5万円~30万円以上(サイト規模や特殊な要件による)。
- タスクリストの例:サーバー契約、バックアップ取得、データ移行、DNS切り替え、動作確認、リダイレクト設定…etc
【フェーズ2:準備・実行編】安全第一で進めるデータ移行の全手順
いよいよ実際の作業です。各ステップで、何をしているのかを理解しながら慎重に進めましょう。
Step2-1:【最重要】作業前の完全バックアップを取得する方法
何があっても元に戻せるように、必ず「ファイル」と「データベース」の両方のバックアップを取得します。
- ファイル:FTPソフト(FileZillaなど)を使い、WordPressがインストールされているディレクトリ全体をPCにダウンロードします。
- データベース:サーバーのコントロールパネルからphpMyAdminにログインし、エクスポート機能を使ってSQLファイルをダウンロードします。
Step2-2:方法A(初心者向け):プラグイン「All-in-One WP Migration」を使った移行手順
- 旧サーバーのWordPressにプラグインをインストールし、エクスポート機能で全データを1つのファイル(.wpress形式)に書き出す。
- 新サーバーに新しいWordPressをインストールする。
- 新サーバーのWordPressに同プラグインをインストールし、インポート機能で先ほどのファイルをアップロードする。
※無料版ではアップロードサイズに制限がある点に注意が必要です。
Step2-3:方法B(上級者向け):FTPとデータベース(phpMyAdmin)を使った手動移行手順
- 新サーバーに新しいデータベースを作成する。
- 旧サーバーからバックアップした「ファイル」を、新サーバーの指定ディレクトリにFTPソフトでアップロードする。
- 新サーバーのwp-config.phpファイルを開き、新しいデータベース情報を記述する。
- 新サーバーのphpMyAdminに、旧サーバーからバックアップした「データベース(SQLファイル)」をインポートする。
- データベース内のURL情報を、新ドメイン(または一時ドメイン)に置換する。
Step2-4:新サーバー側での表示確認と動作テスト
DNSを切り替える前に、新サーバー上でサイトが正しく表示されるかを確認します。PCのhostsファイルを編集することで、自分のPCからだけ新サーバーにアクセスできます。管理画面へのログイン、投稿の表示、フォームの送信などを一通りテストしましょう。
【フェーズ3:公開・事後チェック編】SEO評価を確実に引き継ぐための最終工程
データ移行が完了したら、いよいよサイトの切り替えです。ここでのミスがSEO評価の低下に直結します。
Step3-1:DNSの切り替えと浸透期間の注意点
ドメイン管理サービスの管理画面で、DNSレコード(Aレコードなど)を旧サーバーのIPアドレスから新サーバーのIPアドレスに書き換えます。変更が全世界のネットワークに行き渡る(浸透する)までには、数時間〜最大72時間程度かかる場合があります。
Step3-2:SSL証明書の再設定と常時SSL化の確認
新サーバーで改めてSSL証明書を設定します。サイト内のすべてのURLがhttps://で表示され、ブラウザのアドレスバーに鍵マークが表示されることを確認してください。
Step3-3:301リダイレクトが正しく設定されているかの確認
httpからhttpsへ、wwwの有無など、正規のURLに恒久的な転送(301リダイレクト)が正しく行われるかを確認します。これはSEO上、極めて重要です。
Step3-4:Googleアナリティクスとサーチコンソールでの設定変更
特にサーチコンソールでは、ドメイン移転ツールを使用したり、新しいサイトマップを送信したりする必要があります。
Step3-5:内部リンク・外部リンクのチェックと修正
サイト内のリンクが新しいURL構造で正しく機能しているか、ツールを使ってチェックします。また、可能であれば被リンク元のサイト管理者にもURLの変更を依頼しましょう。
【トラブルシューティング】移行時によくある問題と解決策
問題が発生しても慌てないでください。原因の多くは以下のパターンに分類できます。
問題 | 主な原因とチェックポイント |
---|---|
表示崩れ・画像が表示されない | データベース内のURL置換漏れ、ファイルのアップロードミス、パーミッション設定の不備 |
管理画面にログインできない | .htaccessの記述ミス、Cookieやキャッシュの問題、URLの置換ミス |
データベース接続確立エラー | wp-config.phpに記述したデータベース情報(ホスト名、ユーザー名、パスワード)の誤り |
サイト表示が遅くなった | 新サーバーのスペック不足、PHPバージョンの非互換、キャッシュ設定の見直し |
【特別編】WordPressへの移行パターン別 注意事項
WordPress同士の移行以外にも、特殊なケースがあります。
他CMS(Movable Type, Wix等)からWordPressへの移行
各CMSのデータ構造が異なるため、単純なデータ移行はできません。専用の変換ツールを使ったり、手作業で記事を移したりする必要があります。デザインの再構築も必須です。
ドメイン名を変更する場合の追加作業とSEO上の注意点
サーバー移行に加えてドメインも変更する場合、旧ドメインから新ドメインへの301リダイレクト設定が生命線です。これを忘れるとSEO評価はほぼゼロになります。
ローカル環境から本番環境への移行(デプロイ)
データベース内のURL(例: http://localhost/)を、本番環境のURL(例: https://example.com/)に正確に置換することが最も重要です。
専門家への依頼という選択肢|自社での移行に不安を感じたら
この記事の全手順を読んで、「思ったより複雑だ…」「自社で対応するにはリスクが高い」と感じられたかもしれません。
特にビジネスの根幹をなす重要なサイトほど、その判断は正しいと言えます。
「餅は餅屋」というように、専門知識と豊富な経験を持つプロに任せることで、お客様は本来の業務に集中し、時間と安心を手に入れることができます。
業者に依頼すべきケースとは?自力移行との判断基準
- 数時間でもサイトが停止すると、大きな売上損失に繋がるECサイトや予約サイト。
- 数万件以上の記事や会員情報がある大規模メディアサイト。
- 特殊なカスタマイズが施されており、プラグインでの単純な移行が難しいサイト。
- 社内にサーバーやデータベースの知識を持つ担当者がいない、またはリソースを割けない場合。
WP保守工房のサイト移行サービスで、安心と時間を手に入れる
弊社では、本記事で解説した全てのフェーズを、お客様のビジネスへの影響を最小限に抑えながら、安全かつ確実に代行するサイト移行サービスを提供しております。豊富な経験を持つ専門家チームが、貴社の貴重なデジタル資産を、責任を持ってお守りします。
【無料相談】まずはお気軽にご状況をお聞かせください
「自社の場合は費用がいくらくらいかかるんだろう?」「このサーバー構成で問題ないか、意見を聞きたい」など、具体的なお悩みやご質問はございませんか?
私たちは、貴社のサイトの状況をヒアリングし、最適な移行プランをご提案する無料相談を実施しております。
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まとめ:正しい手順を踏めば、サイト移行は怖くない
WordPressのサイト移行は、確かに複雑で慎重さを要するプロジェクトです。
しかし、この記事でご紹介したように、計画から実行、公開後のチェックまで、各フェーズでやるべきことを一つずつ着実にクリアしていけば、決して乗り越えられない壁ではありません。
このロードマップが、貴社の移行プロジェクト成功の一助となれば幸いです。
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