セキュリティ強化の第一歩!WordPressのログインURLを変更する方法

なぜログインURLの変更がセキュリティ対策に有効なのか?
WordPressのセキュリティ対策と聞いて、まず何が思い浮かびますか?
パスワードの強化、不要なプラグインの削除など様々ですが、最も手軽で効果が高い対策の一つが「ログインURLの変更」です。
この記事では、なぜそれが有効なのか、そして具体的な変更方法を2つ、初心者から上級者向けまで分かりやすく解説します。
総当たり攻撃(ブルートフォースアタック)のリスクを大幅に軽減
WordPressのデフォルトのログインURL(/wp-login.phpや/wp-admin)は、世界中の誰もが知っています。攻撃者はこの共通のURLに対し、プログラムを使って無数のパスワードを試す「総当たり攻撃(ブルートフォースアタック)」を仕掛けてきます。
ログインURLを独自の文字列に変更することは、攻撃者に「建物の玄関の場所を教えない」のと同じです。これにより、機械的な攻撃の大半を未然に防ぐことができます。
この記事で解説する2つの具体的な変更方法
この記事では、以下の2つの方法をご紹介します。
- プラグインを利用する方法:専門知識がなくても、安全かつ簡単に設定できます。(初心者向け)
- .htaccessファイルを編集する方法:プラグインを追加したくない、より高度なカスタマイズをしたい方向けです。(中〜上級者向け)
あなたに最適な方法は?プラグイン vs .htaccess
どちらの方法を選ぶべきか、メリット・デメリットを比較してみましょう。
プラグインを利用する方法 | .htaccessを編集する方法 | |
手軽さ | ◎ 非常に簡単 | △ 専門知識が必要 |
安全性 | ◎ ミスが起きにくい | × コードの記述ミスでサイトが表示されなくなる危険性あり |
サイト速度 | △ わずかに負荷がかかる可能性 | ◎ 影響なし |
総合評価 | 初心者・一般ユーザーに強く推奨 | サーバー知識のある上級者向け |
手軽さと安全性を求めるなら「プラグイン」
特別な理由がない限り、ほとんどのユーザーにとってプラグインを利用する方法が最適です。設定ミスによるトラブルのリスクがほとんどなく、安心して導入できます。
表示速度やカスタマイズ性を重視するなら「.htaccess」
サイトのパフォーマンスを1ミリ秒でも追求したい開発者や、プラグインを極力増やしたくないポリシーを持つ方には、.htaccessを編集する方法が適しています。ただし、作業は自己責任で慎重に行う必要があります。
方法1:プラグイン「WPS Hide Login」で変更する(初心者向け)
最も有名で信頼性の高いプラグインの一つ「WPS Hide Login」を使った方法です。
メリット:専門知識不要で、わずか数分で設定完了
管理画面から数クリックするだけで、誰でも簡単にログインURLを変更できます。
デメリット:プラグインの追加による僅かな負荷と、更新管理の手間
プラグインを一つ追加することになるため、サイトの表示速度に極めて微細な影響が出る可能性があります。また、今後プラグインの更新管理が必要になります。
Step1:プラグインのインストールと有効化
- WordPressのダッシュボードで「プラグイン」→「新規追加」をクリックします。
- 検索窓に「WPS Hide Login」と入力し、表示されたプラグインの「今すぐインストール」をクリックします。
- インストールが完了したら、「有効化」ボタンをクリックします。
Step2:設定画面で新しいログインURLを指定する
- ダッシュボードの「設定」→「一般」をクリックし、ページの一番下までスクロールします。
- 「WPS Hide Login」という項目が追加されています。「ログインURL」の欄に、新しいログインページのURLとして使いたい文字列(例:my-special-login)を入力します。
- 「リダイレクトURL」は、誰かが古いログインURL(/wp-admin/)にアクセスした際に飛ばされるページです。通常はデフォルトの「404」のままで問題ありません。
- 「変更を保存」ボタンをクリックします。
注意:この時点で自動的にログアウトされ、新しいログインページへリダイレクトされます。
Step3:正しく変更されたか確認する
- 新しいログインURL(例:https://example.com/my-special-login)をブラウザのアドレスバーに入力し、見慣れたログイン画面が表示されることを確認します。
- 【重要】古いログインURL(https://example.com/wp-login.php)にアクセスし、404エラーページが表示される(ログイン画面が表示されない)ことを確認します。
- 新しいログインURLは忘れないように、ブックマークするかパスワード管理ツールに保存しておきましょう。
方法2:.htaccessを編集して変更する(中〜上級者向け)
この方法はサイトのコアなファイルに触れるため、十分な知識と注意が必要です。
メリット:プラグイン不要でサイトが軽量。より柔軟な設定が可能
プラグインに依存せず、サイトのパフォーマンスへの影響がゼロです。
デメリット:コードの記述ミスがサイト表示エラーに直結するリスク
.htaccessやfunctions.phpの記述を1文字でも間違えると、サイト全体が真っ白になる「500 Internal Server Error」を引き起こす可能性があります。
【最重要】作業前のバックアップを必ず取得する
作業に着手する前に、必ず以下の2つのバックアップを取得してください。
- FTPソフトで.htaccessファイルとwp-config.phpをPCにダウンロードする。
- 使用しているテーマのfunctions.phpファイルをPCにダウンロードする。
問題が発生した場合は、これらのオリジナルファイルをサーバーに上書きアップロードすることで元に戻せます。
Step1:新しいログイン用のファイル名(例:my-login.php)を決める
このファイル名が、実質的な新しいログインURLの代わりとなります。推測されにくい名前にしましょう。
Step2:.htaccessにリダイレクトとアクセス制限のルールを記述する
.htaccessファイル(WordPressのルートディレクトリにあります)に、以下のコードを追記します。
<IfModule mod_rewrite.c>
RewriteEngine On
# /wp-login.php への直接アクセスを禁止
RewriteCond %{SCRIPT_FILENAME} =/path/to/your/wordpress/wp-login.php [NC]
RewriteCond %{QUERY_STRING} !^action=logout
RewriteRule ^.*$ - [F,L]
# 新しいログインURLへの書き換え
RewriteRule ^my-login\.php$ wp-login.php [L]
</IfModule>
注意:/path/to/your/wordpress/の部分は、ご自身のサーバーの絶対パスに書き換える必要があります。
Step3:wp-login.phpのURLをフィルタリングするコードをfunctions.phpに記述する
使用中のテーマのfunctions.phpに、以下のコードを追記します。これにより、WordPressが生成するすべてのログイン関連URLが、新しいURLに置き換えられます。
add_filter( 'login_url', 'my_login_url', 10, 3 );
function my_login_url( $login_url, $redirect, $force_reauth ) {
return home_url( 'my-login.php' );
}
ログインURL変更後に必ず確認すべき3つの注意点
注意点1:新しいログインURLを忘れてしまった場合の対処法
万が一URLを忘れてしまった場合は、FTPソフトでサーバーに接続し、以下の対応を行います。
- プラグインの場合:/wp-content/plugins/ディレクトリ内にあるwps-hide-loginフォルダの名前を変更(例:wps-hide-login_old)すると、プラグインが強制的に無効化され、デフォルトのログインURLに戻ります。
- .htaccessの場合:バックアップしておいた元のファイルで上書きします。
注意点2:キャッシュ系プラグインやサーバーのキャッシュ機能との干渉
キャッシュが原因で、URL変更後も古いログイン情報が参照され、うまくリダイレクトされない場合があります。ログインURLを変更した後は、必ずキャッシュ系プラグインやサーバーのキャッシュをクリアしてください。
注意点3:他のセキュリティプラグインとの機能競合
他の総合セキュリティプラグイン(例:All In One WP Security)にも、ログインURLの変更機能が含まれている場合があります。複数のプラグインで同じ機能を有効にすると、競合してエラーの原因となります。機能が重複しないように設定を確認しましょう。
これはあくまで第一歩。WordPressセキュリティの全体像を把握しよう
ログインURL変更以外の必須セキュリティ対策とは?
ログインURLの変更は非常に有効ですが、それだけで万全というわけではありません。二段階認証の導入、強力なパスワードポリシー、定期的なバックアップなど、総合的な対策が必要です。
網羅的なセキュリティ対策は、こちらのチェックリストで確認
「他にどんな対策をすればいいの?」と疑問に思った方は、ぜひこちらの網羅的なガイド記事をご覧ください。企業のサイトを守るための25のチェック項目を、初心者にも分かりやすく解説しています。
→ インシデントを未然に防ぐ、WordPressセキュリティ実践チェックリスト25項目
技術的な作業に不安がある、または総合的に診断してほしい方へ
この記事の手順で「.htaccessを触るのは怖い」「自分の環境で正しく設定できるか自信がない」と感じたり、「ログインURLだけでなく、他のセキュリティ設定もまとめて専門家に診断・設定してほしい」と思われたりした場合は、私たち専門家にご相談ください。
サイトの状況に合わせて、最適なセキュリティ設定の代行や、現状のリスク診断を承っております。
一度プロの目でサイトをチェックしてみませんか?
まとめ:不正ログインの入口を隠し、サイトの安全性を高めよう
WordPressのログインURLを変更することは、家の玄関の鍵を複雑にするだけでなく、玄関の場所そのものを隠すようなものです。少しの手間でセキュリティレベルを格段に向上させることができますので、この記事を参考にぜひ実践してみてください。
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