WordPressのクラウド移行、費用は月額いくら?レンタルサーバーとの料金比較とコスト削減術

クラウド移行の最大の壁「コスト」の不安を解消します

この記事を読めば、あなたのサイトの場合の「概算費用」がわかります

「クラウドは高性能だけど、料金が分かりにくくて高そう…」「今のレンタルサーバー代と比べて、どれくらい変わるのか見当もつかない」――。

WordPressサイトのクラウド移行を検討する際、ほとんどの方が最初に直面するのが、この「コスト」に関する不安ではないでしょうか。

この記事では、その漠然とした不安を解消するために、サイトの規模に応じた具体的な費用シミュレーションから、レンタルサーバーとの料金体系の違い、そしてクラウドならではのコスト削減術まで、お金の話に特化して徹底的に解説します。

この記事では、最も情報が多く実績のある「AWS」を中心に解説します

クラウドサービスには様々な種類がありますが、本記事では世界No.1のシェアと豊富な実績を持つ**Amazon Web Services (AWS)**を例に解説を進めます。基本的な料金の考え方やサービスの種類は、他のクラウド(GCP, Azureなど)にも応用できますのでご安心ください。

サイト規模別・AWSの月額費用シミュレーション

「理屈はいいから、まず概算が知りたい」という方のために、まずは結論から。一般的な構成でWordPressサイトをAWSで運用した場合の、月額費用の目安をサイト規模別にご紹介します。

ご注意:下記に記載する内容はあくまで標準的な構成での概算費用です。サイトの作りやアクセス状況、利用するサービスによって費用は大きく変動します。

サイト規模月間PV(目安)想定構成AWS月額費用(目安)レンタルサーバーとの比較
小規模サイト
(個人ブログ等)
1〜5万PVAmazon Lightsail (VPS)5〜5〜20(約750円〜3,000円)一般的なレンタルサーバーと同等か、やや安価。
中規模サイト
(コーポレートサイト等)
5〜20万PVEC2 + RDS (t4g.small)50〜50〜150(約7,500円〜22,500円)高性能なレンタルサーバープラン(ビジネス向け)より高くなる傾向。
大規模サイト
(オウンドメディア等)
20万PV〜EC2 + RDS + CloudFront (CDN)$200〜(約30,000円〜)専用サーバーや、より高度なクラウド構成が必要となり、コストは大きく増加。

そもそもなぜ費用が違う?レンタルサーバーとクラウド(AWS)の料金体系の根本的な違い

なぜクラウドの料金は分かりにくいと感じるのでしょうか。それは、レンタルサーバーとの料金体系の考え方が根本的に異なるからです。

レンタルサーバー:「月額固定」のパッケージ料金

レンタルサーバーは、CPU・メモリ・ストレージなどのリソースが予めパッケージ化されており、「月額〇〇円」という固定料金を支払います。アクセスが少ない月でも、多い月でも料金は基本的に変わりません。

予測しやすく安心な反面、使っていないリソースにもお金を払っている可能性があります。

クラウド:「使った分だけ支払う」完全従量課金制

一方、クラウドサービスでは「水道光熱費」のように、利用したリソースの分だけ料金が発生する完全従量課金制です。アクセスが少なければ安く、多ければ高くなります。

無駄がない合理的な仕組みですが、利用状況を把握していないと、予期せぬ高額請求に繋がるリスクもあります。

クラウド料金を構成する3つの主要素:コンピューティング、ストレージ、データ転送

クラウドサービスの複雑な料金は、主に以下の3つの要素から成り立っています。

  • コンピューティング(サーバー稼働費):EC2インスタンス(仮想サーバー)などを稼働させた時間に対して課金されます。(例:1時間あたり〇〇円)
  • ストレージ(データ保存費):EBS(サーバーのディスク)やS3(ストレージサービス)にデータを保存している容量に対して課金されます。(例:1GBあたり月額〇〇円)
  • データ転送(通信費):AWSからインターネットへデータを送り出した量(アウトバウンド)に対して課金されます。動画や高画質画像を多用するサイトは、この費用が大きくなる傾向があります。

コストをかけてでも移行する価値は?レンタルサーバーにはない、クラウドの6つのメリット

シミュレーションを見て、「やっぱりクラウドは高そうだ」と感じた方もいるかもしれません。しかし、そのコストを上回るだけの価値がクラウドにはあります。ここでは、レンタルサーバーでは実現が難しい、クラウドならではのメリットをご紹介します。

メリット1【パフォーマンスと安定性】:他サイトの影響を受けない専用環境

共用レンタルサーバーは、一つのサーバーを複数のユーザーで共有する「相部屋」です。他のサイトがアクセス集中などで重くなると、その影響を受けて自社サイトまで遅くなる「もらい事故」のリスクが常にあります。AWSのEC2などは、完全に独立した専用環境のため、他サイトの影響を受けることなく、常に安定したパフォーマンスを発揮できます。

メリット2【柔軟な拡張性】:アクセス急増時にサーバーを自動で増強(オートスケーリング)

テレビやSNSで話題になり、アクセスが普段の100倍になっても、サーバーの台数を自動的に増やして処理する「オートスケーリング」が可能です。レンタルサーバーのように「サーバーが落ちて機会損失」という事態を防ぎ、ビジネスの成長に合わせてインフラを柔軟に拡張できます。

メリット3【高度なセキュリティ】:WAFや詳細なアクセス制御を自由に構築

レンタルサーバーのセキュリティは、基本的にサーバー会社任せです。AWSでは、強力なWAF(Web Application Firewall)を導入したり、VPC(仮想プライベートクラウド)でネットワークを論理的に分離したりと、企業のセキュリティポリシーに合わせて、非常に高度で詳細なセキュリティ環境を自由に構築できます。

メリット4【堅牢なバックアップとDR対策】:サイトの複製や復元が容易

サーバー全体を丸ごとイメージとして保存する「スナップショット」機能を使えば、数クリックでサーバーの複製や、特定時点への復元が可能です。さらに、バックアップを地理的に離れた別のリージョン(拠点)に自動で保存することで、大規模災害時にも事業を継続させるためのDR(ディザスタリカバリ)対策も実現できます。

メリット5【最適なリソース調整】:CPU・メモリ・ストレージを”過不足なく”割り当て

「CPUはもっと欲しいけど、メモリはこんなに要らない…」といった、レンタルサーバーの固定プランの悩みから解放されます。AWSでは、CPU、メモリ、ストレージの種類や量を、サイトの状況に合わせて非常に細かく、かつ動的に調整できます。これにより、オーバースペックによる無駄なコストや、スペック不足による機会損失を防ぎ、「過不足ない」最適なリソース配分を実現できます。

メリット6【サイト高速化とSEO】:CDNや高速キャッシュを自由に組み合わせられる

サイトを劇的に高速化させるための強力な武器が揃っています。世界中にコンテンツを配信する「CDN(CloudFront)」や、データベースの応答を高速化する「インメモリキャッシュ(ElastiCache)」といった専門的なサービスを、自社サイトの特性に合わせて自由に組み合わせ、レンタルサーバーでは到達できないレベルのパフォーマンスを追求できます。これは、Core Web VitalsなどのSEO評価にも直結します。

知らないうちに高額請求?AWSで失敗しないための「コスト削減術」

クラウドのメリットを最大限に享受しつつ、コストを賢く抑えるためのテクニックをご紹介します。

  1. 削減術1:適切なインスタンスタイプを選ぶ(オーバースペックにしない):AWSには数百種類のインスタンスタイプがあります。サイトの負荷をモニタリングし、必要十分なスペックのインスタンスを選ぶことがコスト削減の基本です。
  2. 削減術2:リザーブドインスタンス(RI)やSavings Plansで長期割引を活用する:1年または3年の長期利用を契約することで、通常のオンデマンド料金から最大で70%以上の大幅な割引を受けることができます。
  3. 削減術3:深夜など、不要な時間帯は開発環境を停止する:24時間稼働させる必要のない開発用やステージング用のサーバーは、夜間や週末に自動で停止・起動させることで、稼働時間を半分以下に抑えられます。
  4. 削減術4:「AWS Budgets」で予算アラートを設定し、使いすぎを防ぐ:「月額予算が〇〇円を超えたらメールで通知する」というアラートを設定しておくことで、予期せぬコストの急増を早期に検知し、「クラウド破産」を防ぎます。

初期費用は?レンタルサーバーからの移行にかかるコストの内訳

自力で移行する場合:ほぼゼロ(AWSの無料利用枠の活用)

AWSには、アカウント作成から12ヶ月間、小規模なEC2インスタンスやRDSなどを無料で利用できる「無料利用枠」があります。これらを活用すれば、サーバー自体の初期費用はほぼゼロで移行を開始できます。

専門業者に依頼する場合:作業費用の目安

クラウド環境の設計・構築、そしてデータ移行までを専門業者に依頼する場合の費用です。サイトの規模や構成の複雑さによって大きく変動しますが、一般的には15万円〜50万円以上が目安となります。

「自社の最適なコストが知りたい」「構築・移行を任せたい」方へ

コスト最適化は、専門家の知見が最も活きる領域

AWSのコストは、どのサービスをどう組み合わせるかという「構成設計」の段階で、その大部分が決まります。豊富な経験を持つ専門家は、サイトの特性を見極め、パフォーマンスとコストのバランスが最も良い、最適な構成を導き出すことができます。

あなたのサイトに最適なクラウド構成と費用を無料で試算します

「この記事を読んでも、やっぱり自社の場合はいくらになるのか分からない」「最適な構成を提案してほしい」――。そんなご要望にお応えします。

私たちWP保守工房は、お客様のサイトの現状と将来の展望をヒアリングし、最適なAWS構成と、その場合の具体的な月額費用を無料で試算・ご提案いたします。お気軽にご相談ください。

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まとめ:クラウド費用は「管理」するもの。正しく理解すれば怖くない

WordPressサイトのクラウド移行にかかる費用は、レンタルサーバーのように「決まった金額を支払う」のではなく、自社の戦略に合わせて「賢く管理・最適化していく」ものです。

従量課金制の特性とコスト削減術を正しく理解すれば、クラウドは決して「高い」だけの選択肢ではありません。

この記事が、あなたのコストへの不安を解消し、サイトを新たなステージへと進めるための一助となれば幸いです。

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